昨年の夏の終わり、右眼が網膜静脈閉塞症という病気になった。網膜静脈に血栓ができた影響で網膜がむくんでしまい、症状としては画像が歪んでしまう。こんな感じ。↓
眼球に注射を打つために生まれて初めて手術室に入ったのが去年の9月。手術そのものは注射をするだけなので10分ほどで終わった。
効き目は徐々に現れたものの、未だ網膜のむくみは残っている。網膜の視神経というのは正常ならば完璧にきれいに整列しているという。わずかのむくみでも画像は乱れてしまうのだ、
…生命の精妙さよ!
…とはいえ、普段は両目を使っているので左目がかなりカバーして補正をしている。クルマの運転もほぼ支障はない。
困るのは、カメラのファインダーを覗くとき。効き目の右眼の画像が歪んでいるのでピンボケでしか見えない。左目でファインダーを覗こうとしても、無理無理。そもそもカメラのシャッターボタンは右手の指で押す場所にある。左眼が効き目の人はどうしてるんだろう?僕のデジカメは液晶モニターが付いているが、バードウォッチングで鳥の撮影をする時はファインダーの画像(これも液晶)を見てカメラを構えた方が撮影しやすいので困ってしまう。
昨日、念の為デジカメを携えて錦織公園でバードウォッチング。まもなく頭上で「コツ、コツ」と木を突く音。コゲラだ。双眼鏡で確認してから、ピンボケファインダーを覗きながら撮影してモニターで確認。
角度を変えて見ると、どうやら巣作りに着手したばかりのコゲラ。みるみる丸い巣の入り口が出来てきた。春だなあ…。
コゲラが巣作りをしている場所から少し離れた所に、数年前シジュウカラが営巣していた石垣がある。↓その時は石垣の隙間からヒナ達が大口を開いて盛んに鳴いていて、親鳥♂♀が交互にノンストップ、すごい頻度で虫を取ってきてヒナ達に与えていた。二、三日後だったろうか、もう一度この場所に到着したのが、ヒナ達が巣立ちしたばかりの瞬間だった。親鳥と巣立ちビナの賑やかな鳴き声(お母さんは「こっちに来なさい!」巣立ちビナは「待って、待ってー」)、シャクナゲの枝から枝へとぎこちなくジグザグに飛びながら伝う巣立ちビナの姿に興奮した。
バードウォッチングの楽しさは、石垣の隙間やシャクナゲの枝やコゲラの巣穴などの場所やモノが、ひとつひとつ鳥達の思い出と結びつくことだと思う。シジュウカラの巣立ちビナが伝っていたシャクナゲ↓
錦織公園の中だけでも鳥達と結びついた思い出の場所がたくさんある。自分のフィールドに季節ごとにいろんな印が増えていくような感じ。
昨日は二時間余り公園内を巡って、最後に、あのコゲラが巣作りしていた木の様子を見に行った。コゲラはコツコツと木を突き続けて巣穴を作っていた。
二時間余り、休憩なしなんだろうか。
果たしてこの巣穴で営巣するのか、それとも、巣穴としては放棄されるのか、日を改めて確認してみよう。
〝コゲラの巣作り〟2年前の記事が〝その1〟になります。↓
https://kuroyurihaze.hatenablog.com/entry/2022/04/15/232742