クロユリハゼの休日

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みる

# 260 『風神・雷神』

新実徳英作曲、 和太鼓とオルガンとオーケストラのための『風神・雷神』を井上道義の指揮で聴いてきた。 (@ザ・シンフォニーホール) ・和太鼓:林英哲 ・(パイプ)オルガン:石丸由佳 ・管弦楽:大阪フィル … … …… … … … … … …… … … … さて、 合唱団(と…

# 259 劇団四季と浅利慶太

劇団四季のミュージカル〝バケモノの子〟を観てきた。(@大阪四季劇場)実は、一月にも観たので〝バケモノの子〟は2回目。2回とも、地元出身の青年(合唱団の関わりの中で小学生の時から知っている)が主役(蓮=九太)で出演する日を狙い撃ちで観てきた。…

# 258 〝Y字路〟

【ワーイ★Y字路】展(横尾忠則現代美術館) 2000年から始まった〝Y字路〟をモチーフとした作品群のうち初期作品(〜2005)と最近作(2016〜)で構成された展覧会。 その第1作目、横尾の故郷(西脇市)、通学路でもあった椿坂の夜をインスタントカメラで撮影…

# 256 〝たまのののののちゃん〟

朝刊を開いてまず見るのが四コマ漫画〝ののちゃん〟。 ずっと四コマ漫画はスルーしていたのだが、1年ほど前に〝ののちゃん〟の凄さに気づいてからは、いの一番に〝ののちゃん〟だ。 最小限の描線で背景のパーツを構成して空間をつくるセンス、登場人物の表情…

# 252 君たちはどう生きるか

【うた詠み】 まどろみは枕の底に沈みたり夢のあとさき掴む能わず …………………………………………………………… 5、6年前だろうか、放課後デイサービスの高校生が「これ、おもしろいで。」と一冊の本を見せてくれた。↓ 吉野源三郎著〝君たちはどう生きるか〟 「えっ、吉野源三郎…

# 250 思い出の潟分校

昭和49年(1974)に廃校となった秋田県田沢湖町立生保内小学校潟分校、地元民の努力によって修復され〝思い出の潟分校〟として公開されている。 木造校舎は昭和の小学校そのまま。教室には石炭ストーブ、窓の外に伸びる煙突。廊下の窓を通して見える晩秋の景…

# 248 アカククリ

安野光雅展[@ハルカス美術館] 招待券を頂いたので観に行った。 安野光雅の名を聞くと必ず思い出すことがある。…絵とは関係ない話。 沖縄の海に潜っていた頃、何度かアカククリという魚に出会った。こんな魚。↓ 体長30cmで割と大きなおさかなだ。ダイビング…

# 245 せかいのおきく

淡野史良著「人間らしく生きるなら江戸庶民の知恵に学べ」(河出書房新社2000年)の最後の方に江戸の屎尿(うんこ・おしっこ)事情について記述がある。屎尿は周辺の農村の畑に施される肥料として経済的価値が高かった。故に、屎尿は高値で取引されていたと…

# 241 わたしの家

この夏、スウェーデンのダーラナ地方に数日滞在した。広大な森林に湖が点在するダーラナ地方の小さな村、スンドボーンという所に国民的画家といわれるカール・ラーションの住居があり公開されていた。(ガイドツァーに参加して見学。住居内撮影不可。) http…

# 240 蔵王 どっこ沼

混声合唱組曲「蔵王」(佐藤眞作曲、尾崎左永子作詞)を合唱団で全曲歌ったのは2007年。1961年に作曲されているので、もう半世紀以上広く歌われてきた混声合唱組曲。 その第四曲〝どっこ沼〟は、作曲者が〝素朴に温かく〟と指定しているように親しみの湧く愛…

# 239 〝民藝〟と〝注染〟

この夏は結果として〝民藝〟がらみ、〝注染〟がらみで大阪市内へ外出した。 大阪中之島美術館で開催された〝民藝〟展は柳宗悦が中心となった民藝運動に関わる展覧会。何度か訪れた日本民藝館大阪の展示内容が引っ越してきたような内容で、柳宗悦のほか濱田庄…

# 235 〝幾春かけて老いゆかん〟

歌人 馬場あき子の日々を一年間(93〜94歳)追ったドキュメンタリー映画(田代裕監督)を観た。(第七藝術劇場) 「朝日歌壇」の選者を45年間、95歳の今も現役の馬場あき子。何度か僕の短歌を選んでくれたのでどんな方か興味があった。 映画の冒頭が、その「…

# 230 再会 観心寺如意輪観音

観心寺(河内長野市)の秘宝、如意輪観音のご開帳は年に二日(4/17,18)のみ、そのご開帳に合わせて久しぶりに観心寺を訪ねた。 〝なまめきてひざにたてたるしろたへのほとけのひぢはうつつともなく〟 會津八一 詠 観心寺は小学生の時遠足で行ったので古くか…

#227 異形の者

先日、劇団四季のミュージカル〝ノートルダムの鐘〟を観てきた。 以前に観た〝オペラ座の怪人〟もそうだが、主人公は〝異形の者〟だ。欧米では、ディズニーもそうだが、〝異形の者〟が主人公のケースが多いように感じる。そのことに常々、ちょっと違和感があ…

#225 山本山のおばあちゃん

滋賀県、湖北にある山本山。ここにオオワシ♀の個体が今年で連続25年渡来していて、〝山本山のおばあちゃん〟の愛称で呼ばれている。以前からその存在は新聞記事で読んで知ってはいた。 〝山本山のおばあちゃん〟をずっと観察している湖北野鳥センターを訪ね…

# 223 古代歴史館と古墳、充実のボランティアガイド。

前方後円墳の、石室のあった前方部、その中心部に立った。そこに設置された石盤には二つの数字が刻まれている。 〝2011〟と〝531〟 〝2011〟は西暦2011年。この石盤が設置された年、かな。では、「〝531〟はなんですか?」とボランティアガイドさんに尋ねて…

# 222 大島青松園

瀬戸内国際芸術祭の会場のひとつ、国立療養所大島青松園に行ってきた。大島はハンセン病療養所の島、隔離政策の歴史を持つ島だ。 高松から官有船に乗り30分、上陸してまずボランティアの方からハンセン病や島の歴史などのガイダンスがあった。(納骨堂など巡…

# 218 秋の渡り、今年も。

9月が終わり、10月になる。 バードウォッチングにご無沙汰しているうちに季節は移り、鳥たちの秋の渡りを忘れかけていた。 この限られた季節に市街地の緑地で会うチャンスのある小鳥といえば、コサメビタキとエゾビタキ。 ひょっとすると近所の緑地、ニュ…

# 215 ……かもしれない。

〝会場に入る前がいちばんたのしいのかもしれない〟 伊丹ミュージーアムで開催中の〝ヨシタケシンスケ展かもしれない〟の第一展示場入口に書かれた最初の〝…かもしれない〟。 確かに、展覧会に足を運ぶということはそれなりの期待感をもっていくわけで、期待…

# 211 〝築地明石町〟

没後50年 鏑木清方展(京都国立近代美術館)を観てきた。 数年前に再発見され東京国立近代美術館所蔵となった清方の代表作〝築地明石町〟が展示されている。この作品名にも示されているように、清方の作品は東京の下町をテーマにしたものが多い。江戸情緒を…

# 210 バックサイド・オブ・ザ・ムーン

瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。 犬島、直島、豊島の順に三日間をかけて三島を巡った。船に乗って島に渡るというのは旅らしくて良い。船やバスの時刻や昼食場所に制約のある離島のこと、あちこち巡礼のように作品をめぐる作戦を立ててせっせと歩き回った。(…

# 206 〝瀧幹〟

河内長野市の滝畑ふるさと文化財の森センターの常設展示が昨年秋に新しくなった。 テーマは〝瀧幹〟。 これだけでは何のことかわからない。〝瀧〟は滝畑、〝幹〟は幹線のこと。滝畑幹線とは、約100年前にこの地で水力発電が始まって、その送電線の名が滝畑幹…

# 205 【うた詠み】日向の旅

日向灘浪とし寄せる砂浜に千鳥は波の端をば走る ポンカンの山から降りてポンカンをジャムに煮詰めるエコなる君は 蝶鮫の雄は埋められ雌もまた魚卵を残し魚霊の碑あり 南国やハネムーンなる語は遥か海岸沿いに廃墟は続く 日南は移住者多し君もまたバイト仲間…

# 200 〝芸術は呪術だ〟岡本太郎

午前中に大阪日本民芸館(三代澤本寿展)、午後は万博記念公園内でバードウォッチング、そして予約していた〝太陽の塔〟を見学した。 僕は半世紀前の大阪万博には学校の遠足で行った世代。家からも一回、〝月の石〟を見た。…が、岡本太郎の〝太陽の塔〟とい…

#196 福岡伸一✖️池澤春菜『新・ドリトル先生物語』を語る

ヒュー・ロフティングの「ドリトル先生航海記」は、小学生の頃に読んだ記憶がある。 〝ドリトル先生シリーズ〟に熱中した読書体験をもつ二人の対談(ライブ配信)が知的刺激に溢れて滅法面白かった。 福岡伸一さんは〝航海記〟の新訳を書き、現在『新・ドリ…

# 194 MOMATコレクション

MOMAT(モマット)とは東京国立近代美術館、Museum of Modern Art,Tokyo その所蔵品展を観てきた。特別展や企画展に行くと、所蔵品展や常設展は駆け足で通り過ぎがち。今回のMOMATは初めからコレクション展目当てである。入場料500円ポッキリで300点をこえる…

# 189 安珍と清姫

〝安珍と清姫〟。平安時代の伝説を墨とペンで描いた小品。[あやしい絵展@大阪歴史博物館]蛇身となった清姫が鐘の中に逃げ込んだ安珍に巻きつき、口から火を吐き焼き殺す場面。観た瞬間に胸を突かれる〝妖しく美しい〟絵だ。シャープな筆致、現代的なデザイ…

# 187 〝婦人と朝顔〟

なんで、この絵が〝あやしい〟のか、それがあやしい。 藤島武二の油絵作品『婦人と朝顔』が出品されている〝あやしい絵〟展[@大阪歴史博物館] 幕末から明治・大正期を中心にした日本の〝あやしい絵〟をテーマにしている。甲斐庄楠音の見るからに〝あやしい…

# 185 みるく世の謳

6月23日は沖縄慰霊の日。 沖縄全戦没者慰霊追悼式で〝平和の詩〟が作者本人によって朗読された。今年は宮古島の中学生の詩、〝みるく世(ゆ)の謳(うた)〟。夕刊一面には全文が掲載されている。 かなり長文の構成詩で、TVニュースでは〝みるく世ぬなうらば…

# 183 〝絵本が人と人をつなぐ場に〟

昨晩のニュース番組で、生前のエリック・カールさんの願いを伝えていた。 〝絵本が人と人をつなぐ場に〟 支援学校では、〝はらぺこあおむし〟をはじめとするエリック・カールの絵本はあちこちのクラスに置かれていた。僕が関わった子どもの一人に、エリック…