クロユリハゼの休日

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#30 ハマスホイとデンマーク絵画

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デンマークの画家、ハンマースホイの作品が東京都美術館に来ている。2008年に初めて国立西洋美術館で大規模な回顧展が開かれるまで、ハンマースホイは日本でほぼ無名だった。欧米で再評価の機運が進んできたタイミングで日本に初めて紹介されたのだ。この時、日帰りで上野の国立西洋美術館ハンマースホイ展を観に行った。自分の興味や嗜好にはまるだろうという勘が働いたから。美術館の中でハンマースホイの作品、後ろ姿の婦人のいる室内、人も家具もない室内、画家の家の室内を描いた作品群の前で釘づけになっていた。静謐で哲学的な、不思議な詩情で胸がいっぱいに満たされる体験がそこにあった。国立西洋美術館でのこの体験は、数ある美術館・博物館体験の中で最も印象深いものになっている。絵画鑑賞の中で異質で異彩を放つ体験という位置をしめている。ホンモノに触れることは、図録では体験できないなにかがあるはず。

さて、どうする。

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