常宿にしている沖縄水納島の民宿の庭に芭蕉が一本植っている。木なのか草なのか、巨大な葉っぱが良い形だし、バナナがなるので南国に来た感がある。そして芭蕉の葉っぱといえばこれ。
京都、相国寺承天閣美術館常設展示の伊藤若冲筆、鹿苑寺大書院障壁画の〝月夜芭蕉図〟。
この芭蕉の葉っぱの筆さばきというか質感に見惚れてしまう。なんで京都のお寺に芭蕉図と思ったり、障壁画の題材にするところが流石若冲と感心したり。
芭蕉といえば芭蕉布の繊維がとれる植物でもある。ぼくはてっきり巨大な葉っぱから繊維をとるのだと思っていた。今日『日曜美術館』の再放送で沖縄県大宜味村喜如嘉の芭蕉布の里が紹介されていた。芭蕉の栽培から芭蕉布になるまで喜如嘉の女性たちが手仕事を分業・協業しているというもの。
…で、芭蕉布の繊維は葉っぱではなく、茎の部分から取り出している様子を見たのだ。
こういう思いこみに訂正がはいるのは心地よいものなのだった。