クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

#78 仮面舞踏会

だいぶ以前、街にちらほらと子ども達対象のダンススクールが現れ始めた時、〝時代は変わるなあ〟と思った。まもなく、そのきっかけは、ダンスが学校の教育課程に組み込まれたからと聞いて妙に納得。合唱団の、僕も含めたおじさん達はダンスのリズムが大の苦手だ。頑張れば頑張るほど歌はダンス音楽から遠ざかる感じ。こういうのは子どもの頃から身についていないと難しい。身体表現が豊かになることは、自己実現のためにも良いことだ、と思う。

僕の勤め先は今月も休業で、日常生活のリズムというかメロディーがちぐはぐ整わない。ここ数日、寝床に入ってからイヤホンで聴くオーケストラ曲がある。ダンス音楽で、今の生活には聴くのにちょうど良いかもしれない。

ハチャトリアン作曲、劇音楽から選曲された組曲〝仮面舞踏会〟。

ワルツ、ノクターンマズルカ、ロマンス、ギャロップの5曲からなる。どの曲も妖しげな雰囲気で、リズムも強弱もメロディーも絶妙に揺れる。この〝揺れ具合〟が、おじさん達の身体表現能力にとってハードルが高い。

〝ワルツ〟は聴き覚えがある。CMやフィギアスケートの音楽に使われていたようだ。美輪明宏が〝黒蜥蜴〟の音楽に採用しているとも。妖しい感じは美輪明宏にピッタリだろう。〝黒蜥蜴〟、観てみたい。ともかく、ハチャトリアンって、なかなか良いではないか。

僕が聴く音源は、山田和樹指揮、チェコフィルハーモニーによる演奏。抜群の身体表現能力を持つ山田和樹の指揮姿を想像しながら寝床で夜更かしする、今日この頃である。f:id:kuroyurihaze:20200508132320j:image