クロユリハゼの休日

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#84 にじゆら

f:id:kuroyurihaze:20200517000247j:image僕は20代の頃から日本手ぬぐいの愛用者で、常にズボンのポケットに入れている。ハンカチは持たない。堺の職人が手作業による「注染」技法で手ぬぐいを生産していることを知ってからは「注染手ぬぐい」も愛用している。注染工場の社会見学を企画して、職人さんから子ども達に「注染」の説明をして頂いたこともある。職人がサラシの上に染料を堰き止めるための土手をつくる工程がある。材料の〝のり〟は海藻の成分が含まれているそうで、工場内は海のにおいがした。

〝にじゆら〟は、染工場のひとつナカニの注染ブランド名。若いデザイナーの起用や直営店の展開でこの伝統産業の現代的発展に挑戦している。若い職人も採用して育てているそうだ。しかし、「注染手ぬぐい」だけでの経営は厳しく、機械によるプリント製品を生産することで経営が成り立っていると聞いたことがある。

今日の夕刊記事。コロナ禍で各種行事が中止になり、記念品の手ぬぐいなど発注が無くなったとのこと。そういえば僕も記念品の手ぬぐいをよく使っていた。今は業務の全てをマスク製造に切り替えて存続をはかる。

社長の中尾さんの言葉。「職人を守り、堺の注染文化を残す使命がある。」f:id:kuroyurihaze:20200516235519j:image