自然観察好き少年にゲームの際の得点伝達手段としてハンドサインを教えていた。元はと言えば、スキューバダイビングの際に水中でバディにタンク残圧を伝えるハンドサイン。「✊(グー)」は数字の0、「✌️(チョキ)」は2、「🖐(ぱー)」は5。「🖐、✊」は50、「👆、✊、✊」は100である。
夏野菜を育てている畑に水やりとニンジンの間引きに。少年は合間にトカゲやバッタを捕まえていた。帰り際、幼虫の乗った葉っぱを持ってきたので、プラスチック容器に入れた。「何の幼虫かなあ。楽しみやなあ。」と話しながら歩いていると、少年が「✌️、✊、」とハンドサイン。「20?、何が?」幼虫を指差す少年。
事業所に着いてから少年に訊いた。「✌️、✊。20って何を伝えたかったん?」。ホワイトボードを渡すとすぐに書いてくれた。
〝ニジュウヤホシテントウ虫 害〟
「ニジュウヤホシテントウ虫の20か!害虫なん?」
早速スマホで調べて判明。ドンピシャ。
草食性でナス科の葉を食べるてんとう虫だった。
少年は〝二十八星てんとう虫〟を伝えるためにハンドサインを使ったのだ。まさかこの場面で使ってくれるとは。
受動型で、自分から何かを伝える事が少ない少年。
伝えたい相手と伝えたい中身を見つけた瞬間に言葉は生まれる。少年がハンドサインという言葉を使った今日という日、覚えておこう。