標高千m前後の峰々に囲まれた盆地は、明治まで女人禁制の聖地だった。盆地に入るための街道の7つの女人結界(峠)にお堂が置かれ、女性はこれらの女人堂に籠り聖地の峰々を巡礼したそうだ。
今日は空海の御廟がある奥の院を起点に、摩尼山、楊柳山、転軸山を結ぶ女人道をぐるりと歩いた。山頂と峠それぞれに石仏を納めた小さな祠が置かれている。巡礼気分でしっとりした山道を踏んでいく。
終始、自然林と植林の中で展望はない。梅雨空でスタートまもなく雨が降り出したが、稜線(女人道)に出てからは幸い止んでくれた。
祠のあるところで休憩を取り、写真を撮ると……。
摩尼山頂↓
楊柳山頂↓
木洩れ陽が不思議な光線に写ってる。なんでだろう、肉眼では見えないのに…。天候のせい?レンズのせい?
今までこんな風に写ったことないんですけど…。
(世界遺産のご霊験ということにしておこう。)
転軸山頂からは結界の内側、奥の院に下った。下りきって沢を徒渉したところが、奥の院の最奥、写真撮影不可、神聖なる御廟のすぐ横だった。…ちょっとサイドから失礼します、という感じ。
空海の御廟を見て、笹公人の短歌を思い出した。(注:御廟では毎日二回、空海に食事を供える儀式が1200年続いている。)
笹公人にはこんな歌もある。(注:いろは歌の作者は空海、という伝承がある。)
高野三山は聖地の歴史から切り離しては歩けない、そんな山歩きだった。
[行動時間4時間]