クロユリハゼの休日

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#133 〝絵金〟の芝居絵屏風

前々から観たいと思っていた江戸時代の絵師、金蔵の芝居絵屏風。土佐赤岡の地で、祭りの夜、民家の軒先に飾るために描かれた二曲一双の芝居絵屏風群。うち四点があべのハルカス美術館で開催中の展覧会で公開されている。(前後期で二点ずつ。)f:id:kuroyurihaze:20201003223851j:image

土佐(高知)では〝絵金〟と呼ばれ愛された、ローカルな、しかし流派に捉われない個性的な〝絵金〟の作品群は、ローカル故に大阪で観る機会は今までなかった(たぶん)。今回、作品の修復が行われたようで、その機会をとらえての展覧会への出展らしい。

地元、土佐赤岡での夏祭りに合わせた公開がコロナ禍で中止となったので、今年〝絵金〟の芝居絵屏風を大阪で観ることができるのはラッキーというべきだろう。

芝居絵は歌舞伎の場面を描いたもので、〝劇画〟そのもの。特に、生死にかかわる切迫した場面を切り取っており、派手な彩色と相まってその迫力はまさに〝劇的〟。f:id:kuroyurihaze:20201003225521j:image

 

今回の展覧会、〝奇想の系譜〟を三都(江戸・京・大坂)以外のローカルな絵師にまで拡張している点が画期的。江戸絵画の世界がますます面白くなってきた。

 

※久しぶりに図録を購入した。f:id:kuroyurihaze:20201003223942j:image

 

『奇才』江戸絵画の冒険者たち@あべのハルカス美術館(〜11/8)