クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

#149 赤いサラファン、そして、パルナス。

相澤直人編曲によるロシア民謡の合唱曲がブログラムに入った演奏会(東京混声合唱団@いずみホール)を聴きに行った。指揮は高谷光信。

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※東混のTwitterから↑

「ともしび」「カチューシャ」「トロイカ黒い瞳」など日本語訳で親しまれてきた曲ばかり。

指揮の高谷氏はロシア・ウクライナに留学し、現在まで当地のオーケストラの指揮者を務めている。ロシアに縁の深い指揮者を念頭に編曲されたこれらのロシア民謡は、東京混声合唱団委嘱曲として昨年2月のいずみホール演奏会で初演された。

初演に接した僕はいたく感銘を受け、今回も演奏会に馳せ参じた次第。今回は楽譜出版を機会にした改訂初演と銘打たれていた。

 

演奏曲に「赤いサラファン」もあった。

学生時代、グリークラブで歌った曲。その頃から気に入っていた。編曲の趣は随分違っても、演奏会プログラムに載せられた津川主一の訳詞を読んで、〝ああ、これこれ、この歌詞だ〟と懐かしかった。訳詩の日本語から、日本でも昔から親しまれたことが窺える。

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〝赤いサラファン〟    訳:津川主一

赤いサラファン 縫うてみても 楽しいあの日は帰りゃせぬ たとえ若い娘じゃとて なんでその日が 長かろう

燃えるような その頬も 今にごらんよ 色褪せる その時きっと 思い当たる 笑たりしないで 母さんの 言っとく言葉を よくお聞き とは言え サラファン縫うていると お前と一緒に若返る

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さて、

いずみホールの客席でこの曲を聴いていて、ふと思い出したのが〝ピロシキ〟。確かロシアのおやつ?…だったか、肉と玉ねぎのミンチが入ったコロッケのような揚げ物だったと記憶する。〝パルナスのピロシキ〟は高島屋に出店していて、ちょっと贅沢なお土産だった。あんな美味しい〝ピロシキ〟を売っていたパルナスはどうなってしまったのか…。

TVのCMで流れていたあの音楽…。

🎵 モスクワの味、パルナス、パルナス、パラナァ〜ス

パルナスのCMソング、あれもロシア的だった。ロシア民謡のイメージはどこか短調、ちょっと濃厚、寒冷地の厳しさといったもの。そんなあれこれが〝ピロシキ〟の中に詰まっていたのだな、僕の中で。

 

 

↓パルナスのCM曲。

https://m.youtube.com/watch?v=DsvVgYq08Vg

 

「パルナスの歌」
島秀雄作詞・作曲

 

ぐっと かみしめてごらん
ママの 暖かい心が
お口の中に しみとおるよ パルナス
甘いお菓子の お国のたより
おとぎの国の ロシアの
夢のおそりが 運んでくれた
パルナス パルナス
モスクワの味 パルナス パルナス パルナス

そっと かみしめてごらん
愛の うるわしい心が
ふたりのほほに しみとおるよ パルナス
甘いささやき 目と目でかわす
初恋のささげる パルナスが
二人をしあわせに むすんでくれた
パルナス パルナス
ゆめのケーキ パルナス パルナス パルナス

ぐっと かみしめてごらん
ママの 暖かい心が
お口の中に しみとおるよ パルナス
ボリショイ スチャースチ ベチェネ ベリョーダ
大きなしあわせ パルナスが
パパとママと 私たちに
パルナス パルナス
しあわせの味 パルナス パルナス パルナス