クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

#181 猿の前栽 @滝畑ダム

【うた詠み】

村は沈み溺れた谷に蓋のごと平らかな水ダムの高さに

 

↑5年前に滝畑ダムを想いながら詠んだうた。

f:id:kuroyurihaze:20210509160457j:imagef:id:kuroyurihaze:20210509161849j:image

・毎日が休日になったというのに、4月初めのギックリ腰は思いのほか難儀して山歩きは自粛していた。今日は久々に腰慣らしのプチ登山。滝畑ダムの東側、権現山の尾根上、展望の良い〝猿の前栽〟へ。岩と松の木からなる尾根の景観を庭園になぞらえたのか、昔、権現山は山城もあったらしい。

いつもは、滝畑ダムの駐車場にクルマを停めてダムの上を歩いて渡り東側の尾根に取り付く。

しかし、緊急事態宣言下で滝畑周辺の駐車場は全て閉鎖され、ダム湖の遊歩道さえ立入禁止になっていた。

やむをえず、権現尾根の反対側(東側)の横谷の林道に廻り駐車スペースを見つけた。すでに何台か駐車している。登山口を見つけて登り始め汗もかかないうちに尾根に到達。尾根を少し北に辿れば〝猿の前栽〟だ。晴天、風はかなり強い。

緑の山々に囲まれた滝畑ダムダム湖は〝平らか〟で美しい。湖の底に沈んだ滝畑の集落を想いながらおにぎりを食べた。

ダム湖とは反対側、横谷をはさんだ向こう側の山には大きな岩の断崖が見える。双眼鏡で眺めると何人かがザイルを使ってクライミングをしている。駐車していた車は岩登りのグループということか。

f:id:kuroyurihaze:20210509164715j:image
f:id:kuroyurihaze:20210509164712j:image

このような岩盤地質がダムの立地に関係したのだろうとブラタモリ的に〝❗️〟である。

 

【うた詠み】再掲

村は沈み溺れた谷に蓋のごと平らかな水ダムの高さに

この短歌には後日談がある。

ある日、NHKの制作スタッフから家に電話がかかってきた。〝平成万葉集〟という番組を制作しているという。この短歌は新聞歌壇に掲載されたのでスタッフの目にとまったようだ。「このダムは何処にありますか。」「このダムにはどんな思い出がありますか。」など、かなり詳しく取材を受けた。

番組にこの短歌が取り上げられることはなかったが、NHKの番組制作のリサーチの一端が伺えた。

 

ちなみに、滝畑ダムの竣工は1981年(昭和56年)である。

 

f:id:kuroyurihaze:20210509183456j:image