昨秋、NHK-BSの番組で女優の岸井ゆきのさんがスイスでハイキングする番組を観た。ユングフラウ三山を眺めながらお花畑の中を歩く姿に触発されて、スイス・ハイキングのパック旅行を予約したのが昨年末。
そして、この7月、実際に行ってきた。
旅の前半は、氷河に削られたU字谷(ラウターブルンネン谷)の西の絶壁の上にある小さな山村、ミューレンに三連泊し、ここを拠点に毎日ハイキングと展望台を巡った。
ミューレンは人口300人余、11軒の宿がある観光の村。排気ガスを出す車の乗り入れが禁止されているので、標高1600mの村まではロープウェイで入村した。オーバーツーリズムとは無縁の静かな環境で、U字谷を隔てた向かい側の絶壁の向こうにユングフラウ三山(アイガー、メンヒ、ユングフラウ)を望む絶好のロケーション。↑夜明け前、宿の部屋から見えた アイガー、メンヒのピーク。
ハイキング初日は、宿のすぐ裏からケーブルで標高1900mまで上がり、主に放牧地の中をミューレンまで歩くノースフェイストレールというハイキングコース(約6km)。ユングフラウ三山とそれに連なる岩峰の眺望が楽しめるはずだが、あいにく、三山のピークには雲がかかっていた。(旅行パンフの謳い文句〝ユングフラウ三山北壁眺望ハイキング〟)
ちょうど、放牧地は夏のお花畑シーズンで、赤、ピンク、紫、青、黄、白など色とりどりの花々が咲いていた。ミューレン在住という日本人ガイドが花の名前を教えてくれるが、とても覚えきれない。
ハイキングコースは乳牛の放牧地で、さらに標高の高いところは山羊の放牧地。(肉眼では山羊は点々にしか見えない。)
放牧といえば、牛さんたちが緑の葉っぱを食べるイメージしかなかったのだが、実は、彼らはお花をムシャムシャ食べていた。…なので、牛さん達が食事をしたエリアはお花畑が見事に無くなっている。唯一、彼らが嫌いな黄色い花(名前を教えてもらったが忘れた。)だけが残されていたりする。
カウベルというのは昔の話だと思っていたが、今でもちゃんと牛さん達は首にぶら下げている。かなり遠くまでカランコロンと素敵な音が重なって響き渡っていた。(かなり重そう、音もうるさくないんだろうか。)
コースの途中、スイス国旗を掲げた一軒家が。ここは放牧、搾乳、チーズまで自家生産して現地販売しているそう。(国旗は販売をしている目印。)スイスのチーズの中でも最も重宝されているそうだ。(あまり使いたくないが、〝格上〟ということ。)
さっき、言い忘れたが、地元の方(スイス人)は、あの色とりどりのお花の名前をほとんど知らないそうだ。彼らにとっては、放牧地の数々のお花はただの雑草でしかない、というのが一般的な認識らしい。
今回の旅行は、計5回のハイキングがあった。各回とも日本人ガイドに案内して頂いたが、どのガイドさんも花の名前に滅法強かった。やはり日本人の関心に合わせて勉強されているのだなあ。
※ちなみに、
ミューレンを拠点に日帰りハイキングした残り2回の旅行パンフの謳い文句。
↓
〝アイガー北壁直下眺望トレッキング〟↑ヴェッターホルンが美しい。
〝アイガーと高山植物鑑賞ハイキング〟↑アイガー東壁、北壁が見える。
★旅の後半はツェルマットに移動して三泊。(山岳ホテル一泊を含む)
〝逆さマッターホルンの眺望と野生エーデルワイス探索ハイキング〟
〝マッターホルン北壁直下トレッキング〟
↑この後、森林限界まで下った頃、雨が降り出した。
この雨以外は好天に恵まれ、どのハイキングも景色を楽しめて幸運だった。