昨日、自然観察好き少年と散策。彼はため池に来ると小石をフェンス越しに池に投げ入れた。すると、波紋に向かって鴨たちが近づいて来る。彼らは餌付けされていて、少年はそれを知っているのだ。フェイクの餌やりを楽しむ少年。鴨たちはフェイクと分かると離れていく。少年はフェイクを繰り返し、鴨たちの集合、離散行動が繰り返された。
この池の近所のおじさんは毎朝定時にフェンス越しにパンを撒いている。上陸して食べにくる鴨もいる。ちょうど僕の出勤に重なるので、横目で観察していると面白い現象に気づいた。
この池に冬の間滞在する鴨は主にヒドリガモとハシビロガモだ。ところが、おじさんのパンに集まってくるのはヒドリガモばかり。ハシビロガモは来ない。図鑑を調べると食性が異なる。ヒドリガモは植物、ハシビロガモは動物を主食とする。
ハシビロガモはその名の通り、平べったい嘴で、水面のプランクトンなどを濾し取って食餌している。さらに、集団で水面を渦巻くようにくるくる廻りながら食餌をするので、この池でもいくつもハシビロガモの渦が同時に発生する情景が見られる。[〝ハシビロガモ 渦〟で検索すると動画がいくつかあります。]
今日になって、この池のフェンスに下の写真のような掲示物が張り出されていた。野生の鴨に餌付けが与える影響を考えましょうというメッセージ。確かにハシビロガモもヒドリガモも遠くシベリアなどに渡っていくべき時期なのに、人工的な餌付けによって渡りが遅れる可能性はあると思う。