クロユリハゼの休日

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#61 開催中止 法隆寺展

開催中止が決定した東京国立博物館の〝法隆寺展〟がNHK日曜美術館〟で紹介されていた。法隆寺金堂壁画の模写・再現に尽力した人々を軸に構成された番組は、今までの放送で最も心を打つ内容だった。

法隆寺と言えば、東博法隆寺宝物館には何度か訪れて金銅仏や伎楽面を鑑賞したことがあるが、法隆寺そのものを訪問したのは記憶の限り二度だけだ。

一度目は中学の修学旅行か、家族とだったかどちらか。夢殿をかすかに覚えている程度。

二度目は、宮大工の西岡常一棟梁の『木のいのち木のこころ』を読んだ頃、もう25年ほど前かと思う。真夏の日射しが厳しいある日の午後、何処かで用事を済まして阪神高速を車を飛ばして法隆寺に向かった。拝観料を払って見学開始。

『木のいのち木のこころ』に触発されていたので、礎石や槍がんなで削った木の肌触りや木組みなどに関心があったように思う。法蔵館では百済観音像を観て玉虫厨子の前で、ふと、「もっと明るい展示にしてほしいなあ。」と思った。次の瞬間に気がついた。車を運転する時の度付きサングラスのままだということに。    …しでかした。

そういえば、昨日のNHKブラタモリ〟も法隆寺だった。タモリさんはずっとサングラス越しでも満足なんだろうか。

さて、日曜美術館の最後のほうで、1949年に焼損した金堂壁画の一般公開の準備が進められているとの情報があった。その時が来たら、今度こそサングラスでなくしっかり見学したいと思う。