訃報がきっかけ。
半藤一利さん。
立て続けに追悼ニュース、追悼特番をTVで観た。
以前、ご健在の頃のTV番組で、〝昭和史〟を若い編集者などに講義するに至った経緯を話されていた。(半藤さんは文藝春秋社の元編集者。)
すごく楽しい〝授業〟だったらしい。
それが、著書〝昭和史〟になったと。書店で手に取ったものの、読まずじまい。
追悼番組で印象に残ったこと。
半藤さんは〝絶対〟という言葉を使わない。戦中の日本、〝日本は絶対勝つ〟〝軍は絶対に間違えない〟。半藤さんは、安易な〝絶対〟を許さない。(戦後だって、絶対安全なはずの原発が事故、じゃないか。)体験者や原資料に徹底して取材した事実から、〝絶対〟の嘘をコツコツと解していく手法で昭和史を書き続けた。
その半藤さんが、自身の戦争体験を晩年になって語りはじめたという。そして、子ども向けの絵本で初めて〝絶対〟を使ったとも。
戦争は〝ぜったい〟にしてはいけない。
その、自身の戦争体験とは、東京大空襲。
その時の様子をTV番組で語る半藤さんが特に印象に残った。
(半藤さんの絶筆となる文章が収録されている最後の著書が来週発売されるというので、一昨日、予約した。)
…そして。
昨日、たまたま、職場に置いてある高校現代国語の教科書をめくっていたら…。
教科書の教材の最後が半藤さんの文章だった。
〝十五歳の東京大空襲〟
まさに、TV番組で語っておられた壮絶な戦争体験、そのものの文章だった。
不思議なめぐり合わせ。
でも、こういうことはよくある。
よくあるんだよなあ、実に。