近つ飛鳥博物館に隣接する群集古墳は府が宅地開発会社から土地を買い取り風土記の丘として保存が図られた。風土記の丘だけで100を超える古墳があり、たくさんの横穴式石室が露出している。その中で最大規模の石室をもつD-4号古墳。懐中電灯を持って入り、天井まで高さ3mの石室を見廻すとある種の感動をおぼえる。パワースポットという言葉は好まないが、この場所が石室を築いた人々を想像させる力をもつという意味でなら、この言葉を使っても良いだろう。昨年の夏、初めてこの石室に入ったときは、じめじめとして石の壁にびっしりと不気味なバッタが棲みついていたが、乾燥した今は石室内に生き物の気配はない。6世紀から7世紀に築かれた一須賀古墳群、渡来人一族の墓と考えられているようで興味は尽きない。
