この詩の読み解きはなかなか時間がかかった。
何度も読み返してようやくイメージをつかめた気がする。この曲は東日本大震災後、福島在住の詩人和合亮一と作曲家信長貴富に委嘱され、翌年に福島で初演された。
詩人は言う。
「私がこの歌にこめたいものは鎮魂と再生への祈りである。」と。
詩の言葉に、東日本大震災後の福島というヒントをもらって、行ったことのない福島の景色や詩人の心の動きを想像する作業。詩を読む、とはこういうことかと思う。作曲家はその上で音楽を構築していくのだから、僕たちも詩の読み解き作業を疎んではいけない、とも思う。
合唱を長く続けてきて、沢山の詩、詩人に出会ってきた。詩の読み解きを疎かにすることも多かった。合唱は、もちろん音楽なのだが、言葉を伝える、詩を伝えるということが醍醐味なのだろう。
そういう気持ちを持って演奏会に臨みたい。