クロユリハゼの休日

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#104 八分灸は裏切らない

水曜日の朝、台所で重い鍋を洗っている時にくしゃみをした瞬間、…〝やっちまった〟。

プチ・ギックリ腰だったので何とか出勤したが日を追うごとに悪化し、今朝は靴下が履けないレベルに。今夜は合唱団の練習がある。感染症対策を決めたうえで声を出す、コロナ禍後初のリハビリ合唱の日だ。いきなり練習欠席か。

こういう時に起死回生の一手がある。

〝八分灸〟。

二十代の頃からお世話になっているお灸治療である。お世話になっていると言っても我が家には〝もぐさ〟を常備しているのでセルフでできる。(昔、鍼灸院のF先生のお灸教室で会得した。)

若い頃から膝を痛めることが多かった。即効性、副作用なしの八部灸。膝だけでなく腰や肩など、今まで何度助けられただろう。

セルフと言っても腰にお灸をすえるのは一人では難しい。…しかし、この八部灸治療法は簡単(基本的に〝もぐさ〟に火をつける。火を消すだけ。)なので、スキルを会得してもらっている〝ウチのおくさん〟に治療してもらう。

お灸というと〝ツボ〟の知識とか要りそうだが、この〝八分灸〟は〝数打ちゃ当たる〟という思想なので素人でも大丈夫。「もうちょっと右」とか伝えながら圧痛点を押して探してもらい、小さなお灸をとにかくすえまくる。〝アツッ〟と感じた瞬間に消してもらう。ヤケドもしない。〝点〟の集積は〝線〟や〝面〟となり、治療のツボをカバーするわけだ。

腰痛や膝痛は何度も経験しているので、今では自分なりに治療のツボはつかんでいる。

…というわけで、〝ウチのおくさん〟に小一時間治療してもらった。

 

結果、八分灸で痛みは八割方消え去り、靴下ラクラク、クルマの運転OK、イスに座ってOK、お尻も拭ける。晴々とした気分で練習を終え、コンビニでエクレアとチョコまで買ってしまった。明日の朝にはすっかり治っているかも。

今回も起死回生、ありがとう。お灸の作用機序は今なお謎だらけらしい。エビデンスがなんだ、中国ウン千年、日本でも古来から受け継がれてきた経験こそがエビデンスだ。

〝八分灸は裏切らない。〟