観心寺(河内長野市)の秘宝、如意輪観音のご開帳は年に二日(4/17,18)のみ、そのご開帳に合わせて久しぶりに観心寺を訪ねた。
〝なまめきてひざにたてたるしろたへのほとけのひぢはうつつともなく〟 會津八一 詠
観心寺は小学生の時遠足で行ったので古くから馴染みの寺。その観心寺如意輪観音に魅せられたのはいつの事だったか、どこかの美術館か博物館だった。昭和40年代にレプリカが作られたそうなので、おそらくそれを見たのだと思う。
その印象は、會津八一のうたにあるように〝艶かしい〟美しさ。六本の腕を持ち、片膝を立てて絶妙のバランスで座る如意輪観音は彩色を施され、官能的、女性的で、他の仏像とは一線を画す存在に思えた。(特に頬の辺りが温かい感じ。)
嘗ては三十三年に一回のご開帳だったという秘仏。
昔、秘仏を納める金堂の大修理落慶の特別開帳に足を運んだ。両脇の秘仏〝不動明王〟〝愛染明王〟とともに開帳されるのは史上初めてという折に、僕は初めて本物の如意輪観音に出会った。
今日、金堂で説明役の僧侶に確認したところ、その特別開帳は昭和59年(1984年)とのこと。ひと昔、ふた昔くらいかな、と思っていたが、実に39年振りに如意輪観音に会ったことになる。
また、両脇の秘仏〝不動明王〟〝愛染明王〟は昭和59年(1984年)以降は一度も公開されていないという。…驚き。
秘仏開帳ということで、近畿、四国はもとより関東からの来訪者も見受けられた。金堂は時間指定で三十分間の交替制、各回100名が入場するシステム。観心寺如意輪観音は全国区の人気だと認識する一日だった。