かねてから大和葛城山の奈良側(御所市)からの一般ルートが少ないと思っていた。
これまで、一般ルートとしてはロープウェイ登山口からの北尾根ルートと櫛羅の滝コースのみを利用してきた。しかし、櫛羅の滝コースより南側にも何本か尾根があり、水越峠に近い尾根は広大な自然林が見てとれるので、あの自然林に登山ルートがあれば登って見たいと思っていた。
最近になって、YAMAPの山行記録に昔の登山地図に記載のある九品寺からの登路である長尾道が紹介されていた。この長尾道という名のルートは、国土地理院の昭和44年発行の5万分の1地形図をひっぱりだしてきて見るとしっかり記載されていたので、当時は大和葛城山への主ルートのひとつだったと思われる。あの広大な自然林の尾根よりは北側だが、自然林に期待して昨日この長尾道を歩いてみた。
登山地図から長らく消えているだけに今は踏む人が少なく落ち葉が積もってやや歩きにくい。しかし、溝状になったルートはかなり明瞭で、昔はかなりしっかりした登山道であったことが伺える。道迷いするような箇所もなく順調に歩けた。登り始めは植林の中、中盤から南側が自然林となり、尾根上部で笹の生い茂った自然林の中の道になった。大好きなブナの木もちらほら…。登山道脇にギフチョウの幼虫の食草であるミヤコアオイ。そこからすぐのところでカタクリの花がちらほら咲いていた。まもなく尾根の最上部、パラグライダー発着場に到達。奈良側の展望がいっきに開ける。
その後、自然林の別の場所、もしや、と思っていたギフチョウにも出会えて春の到来を実感。
下山は櫛羅の滝コースをとりロープウェイ登山口へ。そこからは葛城古道を辿って九品寺に戻った。