クロユリハゼの休日

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#32 京都の若冲とゆかりの寺 展 

伊藤若冲に惹かれて20年あまり。東京、静岡、京都、香川と、追っかけをするほどの熱中は落ち着いた。今回は大阪高島屋なので気軽なお出かけ。

鴛鴦(おしどり)、翡翠(かわせみ)、海老、虻、蝶など水墨による小動物や虫の表現に唸らされる。総じて若冲の彩色画は精密を極めてはいるが、省略や墨の濃淡による動きや質感の冴えは水墨画が優る。会場の観客はマスク越しでも笑顔が多いのがわかる。鑑賞しながら楽しげに会話している人も多い気がする。若冲水墨画にはそういう力があるのだ。細見美術館の所蔵品が多かったが、今までに観た覚えのないような絵もあった。(踏歌図、萬歳図)

今回は弟子達の作品も多く展示されていて、若冲の凄さが却って際立つ展覧会になっていた。また、ビデオ展示で相国寺での動植綵絵を掲げての法要の模様が上映されていた。動植綵絵宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵品なので、法要では精密なレプリカが使われていると知った。

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