クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

# 205 【うた詠み】日向の旅

日向灘浪とし寄せる砂浜に千鳥は波の端をば走る

 

ポンカンの山から降りてポンカンをジャムに煮詰めるエコなる君は

 

蝶鮫の雄は埋められ雌もまた魚卵を残し魚霊の碑あり

 

南国やハネムーンなる語は遥か海岸沿いに廃墟は続く

 

日南は移住者多し君もまたバイト仲間と繋がり光る

 

原発が見える海から移り来て波乗りは乗る日向の波に

 

海岸に避難経路の地図ありて手すりを伝い高台に立つ

 

伊勢海老の殻で突きたる親指の痛みが残す海鮮の味

 

若鳥が鶏舎で喰らう残飯に粉砕されし伊勢海老の殻

 

栄螺ならこの人に任す漁港には壺焼き職人ありと聞こゆる