クロユリハゼの休日

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# 239 〝民藝〟と〝注染〟

この夏は結果として〝民藝〟がらみ、〝注染〟がらみで大阪市内へ外出した。

大阪中之島美術館で開催された〝民藝〟展は柳宗悦が中心となった民藝運動に関わる展覧会。何度か訪れた日本民藝館大阪の展示内容が引っ越してきたような内容で、柳宗悦のほか濱田庄司、芹澤銈介ら民藝運動を牽引した作家の作品や蒐集品が集められていた。生活の中で使われる道具や衣服に美を見出す〝民藝〟は〝豊かさとは何か〟を問い直す機会になる。

※お土産は芹澤銈介デザインのコースター。↓f:id:kuroyurihaze:20230905185539j:image

〝にじゆら〟の注染ワークショップも、注染技法による手ぬぐいや浴衣などの製品が〝民藝〟と相通ずる何かを感じながら参加した。やはり、〝豊かさとは何か〟を考える機会になるのだ。f:id:kuroyurihaze:20230905190345j:image

…もうひとつ。〝柚木沙弥郎と仲間たち〟展(@大阪高島屋)で注染の作品が展示されていると知ったので観に行った。柚木沙弥郎は芹澤銈介の弟子。民藝運動を継承している染色家だった。但し、柚木自身は〝民藝〟というジャンルに括られる事は良しとせず、自らの趣くままに型染めや注染による製作をしているという。柚木沙弥郎の染色は手ぬぐいよりも幅広の生地で製作されている。洋服やインテリアなどの用途を想定しているそうだ。展示品は型染めと注染、半々くらいだろうか。両者の違いがよくわかる。型染めはカッチリした感じ、注染はボワっとした感があり、それぞれ味わいがあって面白かった。f:id:kuroyurihaze:20230905191847j:image