「くちびるに歌を」
くちびるに歌をもて
心に太陽をもて
ひとのためにも言葉をもて
そしてこう語りかけよう —
嵐が吹こうと
吹雪が来ようと
地上が争いに満たされようと
くちびるに歌をもて
心に太陽をもて
ひとのためにも言葉をもて
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東混との共演曲、「くちびるに歌を」。
この歌詞の中の、
〝そしてこう語りかけよう —〟
〝語りかけよう〟の後ろに〝—〟がついている。合唱の練習中も時々考えていたのだけれど、要するに語りかけるべき言葉は〝—〟なのだ。合唱団員も指揮者も〝—〟の部分は語りかけるべき言葉をそれぞれに想像して持ってよしとする、ということかと思っていた。
それぞれの想像や解釈に任せるという歌詞は、いやではない。むしろ好ましい。
さて、中止という事態。
語りかけるべき言葉は何か。
もし、再び東混とこの歌を歌う機会が与えられたとして、その時には言葉にならない言葉も含めて〝—〟にいっぱいの言葉がふくらんでいるだろうことは想像できる。