石鎚山を気に留めたきっかけは、おそらく、天童荒太の小説「永遠の仔」(1996年)。石鎚山が小説の舞台として登場していた。ハードカバーの新刊小説を買って読むことは稀だが、「永遠の仔」はカバー写真に彫刻家の舟越桂の人物彫刻があしらわれていたので、いわば、衝動買い。舟越桂の人物彫刻は国立国際美術館で所蔵作品を初めて見て衝撃を受けた。その後、舟越作品に入れ込んでしまい、高松市美術館や東京都庭園美術館で開催された個展にも足を運んだ。
さて、「永遠の仔」を読んでから、石鎚山に登ってみたいという気持ちは細々とではあるが持続していた、と思う。
それが、先週、徳島県の剣山に登ったことをきっかけに、〝次は石鎚山〟との思いが強くなった。来年の紅葉シーズンに登ろうと妄想するうちに、〝いや、今年の紅葉を見に行こう〟となってしまった。YAMAPの活動報告を覗くと、山頂は今まさに紅葉のピークではないか。
幸い平日三日間に予定がなく天気予報もバッチリ。日程・天気予報・紅葉🍁の三拍子が揃った。大阪・愛媛間を結ぶフェリーを利用しての船中二泊日帰り登山の弾丸ツァー。
登山コースは土小屋から稜線を伝う負荷の少ないコース。膝痛、腰痛が少しあり、最近とみにバランスが悪くなっている。鎖場は避けて巻道をとり、岩伝いの天狗岳は見るだけ〜、の安心コース。
絶好の登山日和となり、山頂部の紅葉が、空の青、笹や常緑樹の緑、と混ざり合って紅く輝いていた。
※下山後、松山道後温泉へ移動。
道後温泉本館は高校生の時に友人と本館前まで行ったが、風邪気味だったので入浴はパスした思い出の場所。現在、本館は本格的な保存修理中。宇和島在住の大竹伸朗デザインに半分以上覆われている。
また、道後温泉別館飛鳥の湯の広場は全面が蜷川実花の写真(陶板?)で覆われていた。