堺市民芸術祭の文芸部門、堺短歌大会に参加した。(10/28)
主催の堺歌人クラブの呼びかけに応じて8月に三首を投稿した。堺市民でなくても応募できる。堺市民芸術祭は堺市の後援があり、この短歌大会の堺市長賞は市長名の賞状が授与されていた。ただ、聞くところによると、市長が変わってから芸術祭への財政上の支出がカットされた(古墳の上空に気球を上げるため?)ので、芸術祭へ参加する各団体は大変だそう。短歌大会も会場費や講師や撰者への謝礼などなど、経費を補うためにも活発な投稿を呼びかけておられたのだ。(僕の場合、三首投稿で二千円の参加費。)市の文化祭的なイベント、他の自治体では財政からの支援はどうなっているんだろう。
今日の講師は歌人の真中朋久氏。講演の演題は「短歌と自然災害」。なんだか変わったテーマだと思っていたが、講師が気象予報士ということで納得。予報や台風、水害などを詠んだ短歌を、時代背景や歌人の具体的なエピソードを交えながら紹介されていた。
講演の後に、撰者による受賞作や応募作へのコメントがあった。これがとても勉強になる、というか、感心する。撰者をつとめる歌人というのは作品の読みが速いし深い。語り口も優しくとてもわかりやすく伝えてくれた。(奈賀美和子氏と藤田千鶴氏)
さて、
僕の投稿歌は次の三首。この夏のスウェーデン滞在中に詠んだもの。
↓
・赤茶けた鉱石の色で染めらるる家建ち並ぶファールンの街
・衛兵に女性のありて号令はひときわ高く響き渡れり [堺市文化団体協議会賞]
・教会に王家の棺は並びたる幼な子のそれ小さく置かれて
一首目はダーラナ地方の銅山の街ファールン。ファールン銅山は世界遺産。銅鉱石からとられた染料で塗られた木造家屋が多い地方だ。
二首目はストックホルムの旧市街(ガムラスタン)にある王宮前広場、衛兵交代の場面。スウェーデンは今も王制。
三首目もストックホルム、旧市街に隣接するリッダーホルム教会。王家の大小の棺が納められており重苦しく、息苦しいくらいだった。
堺といえば歌人与謝野晶子を生んだ街。短歌大会を開催するに相応しい街ともいえる。
与謝野晶子の〝君死にたまふことなかれ〟を知ったのは中学生か小学高学年の頃。七五調で畳み掛ける反戦歌に興奮した思い出がある。特にこの部分。
↓
〝君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戰ひに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獸(けもの)の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。〟
五七五七七、短歌の表現形式が僕にはちょうど良い。このブログで時々お伝えしてみよう。