クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

#50 『二十歳の原点』高野悦子 1971年

f:id:kuroyurihaze:20200326011645j:image新聞の特集、「時代の栞」に取り上げられていた。二十歳で自殺した立命館大生の日記、当時ベストセラーとなり我が家にもあった。父が買ったらしく、中学生の僕も読んだ。学生運動が学園闘争、警察機動隊との衝突など激化する最中、東大安田講堂事件のあった年に彼女は自殺している。「〝独りであること〟〝未熟であること〟これが私の二十歳の原点である。」中学生の僕は、よくわからないままにも、何歳か年上の大学生のエネルギーや葛藤する姿にある種の憧れを抱いたと思う。数年後、浅間山荘事件があった年に僕は大学受験をした。f:id:kuroyurihaze:20200326011728j:image

何年か前に、東大の総合博物館に行った折に安田講堂も見に行った。周りの新しく大きな研究棟に較べると、安田講堂は驚くほど小さく見えた。すぐそばに大学構内だというのにコンビニ(たしかローソン)があって、学生と機動隊が闘った名残りを期待していた僕は拍子抜けしてしまった。

※ずっと、『ハタチの原点』と読んでいたが、『ニジュッサイの原点』とルビがふってあった。