クロユリハゼの休日

やま とり うた みる きく よむ うみ など

#134 細尾谷からちはや園地へ @金剛山

この半年間、金剛登山は自粛というか、あえて避けていた。前回は→(https://kuroyurihaze.hatenablog.com/entry/2020/03/15/124008#43  #43 静かな山頂 金剛山大日岳)

 

今日の目的は〝エゾビタキ〟に会うこと。金剛山千早園地の展望台が遭遇率の高い絶好の観察ポイント。時期的にはちょうど良いはず。

展望台に時間をずらして二回登ってみたが、結果は空振り。残念 ^^;

〝エゾビタキ〟には会えなかったが、オオアカゲラとサメビタキは双眼鏡で確認した。バードウォッチング目的の金剛山としては、いちおう〝坊主〟ではない。

f:id:kuroyurihaze:20201004204637j:image代わりに橙色の花、フシグロセンノウ。ちはや園地でしか見たことがない花。

 

鳥のかわりに、花ウォッチング。今日の主役は〝アキチョウジ〟そこらじゅうで薄紫の花を咲かせている。f:id:kuroyurihaze:20201004195730j:imagef:id:kuroyurihaze:20201004195751j:image

花の名前はむつかしい。図鑑を見てもなかなか同定しにくいし、覚えられない。やはり経験者に同行してもらって教えてもらうのが一番だろう。f:id:kuroyurihaze:20201004200845j:image
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さて、細尾谷は昔はマイナーなルートだったが、今は登山地図にも記載されている。谷の入り口は滝っぽい。f:id:kuroyurihaze:20201004201310j:image険しいところはないが、ガラガラと石を踏んで沢の流れの中を登るところが多いので運動靴だと濡れてしまうし歩きにくいだろう。ちょっとワイルド。一般ルートは物足らないという方に向いているかも。

        [行動時間5時間半]

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#133 〝絵金〟の芝居絵屏風

前々から観たいと思っていた江戸時代の絵師、金蔵の芝居絵屏風。土佐赤岡の地で、祭りの夜、民家の軒先に飾るために描かれた二曲一双の芝居絵屏風群。うち四点があべのハルカス美術館で開催中の展覧会で公開されている。(前後期で二点ずつ。)f:id:kuroyurihaze:20201003223851j:image

土佐(高知)では〝絵金〟と呼ばれ愛された、ローカルな、しかし流派に捉われない個性的な〝絵金〟の作品群は、ローカル故に大阪で観る機会は今までなかった(たぶん)。今回、作品の修復が行われたようで、その機会をとらえての展覧会への出展らしい。

地元、土佐赤岡での夏祭りに合わせた公開がコロナ禍で中止となったので、今年〝絵金〟の芝居絵屏風を大阪で観ることができるのはラッキーというべきだろう。

芝居絵は歌舞伎の場面を描いたもので、〝劇画〟そのもの。特に、生死にかかわる切迫した場面を切り取っており、派手な彩色と相まってその迫力はまさに〝劇的〟。f:id:kuroyurihaze:20201003225521j:image

 

今回の展覧会、〝奇想の系譜〟を三都(江戸・京・大坂)以外のローカルな絵師にまで拡張している点が画期的。江戸絵画の世界がますます面白くなってきた。

 

※久しぶりに図録を購入した。f:id:kuroyurihaze:20201003223942j:image

 

『奇才』江戸絵画の冒険者たち@あべのハルカス美術館(〜11/8)

#132 石舞台から御破裂山へ

〝ごはれつ〟という変わった名の山へ。大和三山の眺めが良いらしい。

石舞台古墳が起点の周遊コースをとる。明日香村は至るところで彼岸花が咲いていた。歩きはじめてまもなく棚田の景観。f:id:kuroyurihaze:20200927194647j:image
大和三山の景観を期待して万葉展望台への山道をとり、いっきに稜線まで高度をかせぐ。めざす御破裂山は談山神社の背後にある。f:id:kuroyurihaze:20200927194652j:image

万葉展望台は植林の立木が成長していて、大和三山をいっぺんに観ることは能わず。一山ずつ立ち位置を変えての展望。畝傍山の向こうに二上山、遠くは六甲。右の方にハルカスが見える。f:id:kuroyurihaze:20200927204330j:image今日一番の展望だった。

ここから御破裂山までは稜線に並行した林道と車道をつないだハイキングコース。途中、檜の香り。新しい切り株がいくつかあった。f:id:kuroyurihaze:20200927201333j:imageお地蔵さんにはたびたび出会う。f:id:kuroyurihaze:20200927201442j:image

 

なんと、御破裂山頂は藤原鎌足墓所大化改新のあの方、…さすが明日香村、歴史を感じる。f:id:kuroyurihaze:20200927205148j:image墓所の裏に大和三山展望台とあるが、ここは植林の立木が成長してほとんど展望はなかった。残念。

雨が降り出す中、鎌足中大兄皇子大化改新について語らったという〝談山(かたらいさん)〟に立ち寄り、談山神社へ降りた。この神社は鎌足ゆかりの場所なのだった。

神社から石舞台古墳まで4㎞、山道を下っていくと懐かしい風景の里道となり、彼岸花咲く棚田を眺めながらのんびり歩いた。f:id:kuroyurihaze:20200927204707j:image明日香を満喫する一日になった。f:id:kuroyurihaze:20200927204520j:image

         [行動時間5時間半]

 

※そういえば、中学の時の遠足が石舞台古墳談山神社だった、たしか。

#131 ノビタキ @狭山池

現存するため池として日本最古、『古事記』『日本書紀』にもその名が記されているという狭山池。平成の大改修では当初、池の周りをコンクリートで固める計画だったらしい。野鳥の会が進言して、野鳥などが生息できるよう設計変更されたと古参会員から聞いたことがある。おかげで渡り鳥のカモ類が上陸できる場所があるし、ヨシ原を好む小鳥などを観察できる場所もある。

 

さて、そろそろ狭山池にノビタキが立ち寄る頃である。先週末は確認できず。そして今日もノビタキを探しに行ってみた。f:id:kuroyurihaze:20200926224311j:image

 

ノビタキより先に留鳥のセッカがチッ、チッと鳴いて眼の前の茎に掴まった。狭山池で見られる鳥の中で最小のかわいいやつ。慌ててカメラを取り出したが撮影できたのはこの写真だけ。f:id:kuroyurihaze:20200926224820j:image毛繕いしていてお顔が見えない。羽の色が初々しかったので幼鳥かも。

 

渡来してくるノビタキは、たいてい1〜3羽くらいだが、葦原をうろちょろするので見つけやすい。今日はしばらく気配がなくあきらめようとした時、一羽の鳥が遠くの鉄柵の上にちょこんとのった。セッカかな?と思いつつ近づいて双眼鏡でのぞくと……。

ノビタキf:id:kuroyurihaze:20200926230816j:image今年も狭山池に到着していた。活動の少ない時間帯のようで、この後は草原のどこかに入ってしまった。数日は滞在すると思うが、来週はどうかな?

 

おまけと言っては失礼だが、イソヒヨドリ♀。胸のあたりの鱗状の模様が渋い。f:id:kuroyurihaze:20200926231406j:imageイソヒヨドリは〝磯〟と名がつくぐらいなので、本来は海辺の鳥だと思う。(沖縄の水納島でも普通に見られる。)ところが僕がバードウォッチングを始めた頃から大阪では内陸に進出しだし、今や丘陵を開発したニュータウンで普通に見られる鳥になった。(先日、奈良県曽爾村でも見ました。)我が家でも季節によっては毎朝くらいきれいな鳴き声が聴こえる。ただ、住宅地内なのでよそのおウチを双眼鏡で観察したり撮影するのは気がひける。

…ということで、イソヒヨドリ、初めての撮影でした。今度は♂をねらってみます。

 

 

#130 兜岳と鎧岳、…と、金強稲荷社

今日も曽爾村へ。下山後に曽爾川の右岸から撮った写真。左が兜、右が鎧。柱状節理の絶壁断崖が見えるのはこちら側から。↓

f:id:kuroyurihaze:20200922182535j:image村役場に車を停めてまずは兜岳へ。赤目への車道を小1時間歩いて登山口へ。絶壁断崖のない山の裏側の植林から登山道は始まる。倒木が根を張っていた岩盤が露わになっている。f:id:kuroyurihaze:20200922183953j:image山全体が岩、かな。ほどなく山頂まで続く急登。木の根や岩を掴んでがんばる。山頂からは昨日登った曽爾高原や倶留尊山などが霞んで見えた。(#129 https://kuroyurihaze.hatenablog.com/entry/2020/09/21/215316f:id:kuroyurihaze:20200922185212j:image青空はなく湿った風が吹き、雨の予感。先を急ごう。

尾根を急下降。途中、トラロープが断続して張られている。f:id:kuroyurihaze:20200922190223j:image
笹で誤魔化されそうだが、トラロープの向こうは一歩踏み越えたら真っ逆さま。断崖の上部を歩いているのだ。

鞍部から植林の中、鎧岳への登りが始まる。こちらの急登は〝ふつう〟。四つ足になることはない。ヤマジノホトトギスが咲いていた。f:id:kuroyurihaze:20200922190551j:image

鎧岳山頂でおにぎりを食べて下山開始。林道まで下りきったところに神社。f:id:kuroyurihaze:20200922190854j:image軽い気持ちで鳥居をくぐったが、急坂を登れど登れど社は見えず。結局、社のある柱状節理の断崖の基部まで登り返した。柱状節理の断崖は信仰の対象なのだ。f:id:kuroyurihaze:20200922191355j:imageさもありなん。

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集落まで下って、曽爾川(青蓮寺川)沿いに村役場に戻る頃、雨が降りはじめた。

今日出会った登山者は下山中にすれ違った一人だけ。曽爾高原の賑わいとは対照的な連休最終日になった。

          [行動時間5時間]

#129 曽爾高原から倶留尊山

奈良県の中でも室生火山群の山々の景観に囲まれ、独特の雰囲気を持つ曽爾村。柱状節理の絶壁と、よく手入れされた植林が広がるたおやかな山容が混在する。その中で植林されず保護されているススキの草原が曽爾高原。f:id:kuroyurihaze:20200921212429j:imageそもそもが民家の屋根に使われていたススキを育てた萱場である。岩湧山頂の萱場と同様、毎年山焼きをすることでススキ原が維持されている。この景観自体が文化財なのだ。(→#13 山頂は茅場@岩湧山

https://kuroyurihaze.hatenablog.com/entry/2020/02/02/201023

今日はこのススキ原のぐるりと、亀山峠から倶留尊山(くるそさん)往復の山歩き。途中、〝二本ボソ〟という名のピークから三杖村側の展望よし、大洞山や尼ケ岳が見える。f:id:kuroyurihaze:20200921213345j:image二本ボソからいったん下降して、もう一度急登すれば標高1037mの山頂。この間、三杖村側は絶壁でほぼ真下に村が見える。

この山は、小学一年生の息子と小三の娘を連れて来て以来。息子は「早く家に帰って遊びたい。」とがんばって歩いたことを思い出す。今日も小学校低学年の子ども連れが何組か登っていた。f:id:kuroyurihaze:20200921215146j:image

           [行動時間4時間]

 

#128 コサメビタキ@大泉緑地

午後から緑地へ。

真夏は、暑すぎるし鳥たちもあまり姿を見せないのでバードウォッチングはおやすみ。

朝夕が過ごしやすくなる9月。この時期、渡りの途中、緑地に姿を見せるコサメビタキに会いに。撮影するためにコンデジと三脚を持って行った。(もちろん、会えるかどうかは行ってみないとわからない。)

 

このブログの名前にある〝クロユリハゼ〟は、華やかなサンゴ礁の魚の中にあって、シックでモノトーン、ペアで優雅に浮遊する姿が好ましい。

一方、〝コサメビタキ〟もグレーを基調としたモノトーンながら、白のアイリングが特徴的でオメメパッチリ、とても可愛らしい。このブログを〝コサメビタキの休日〟にしても良いくらいだ。

 

コサメビタキ〟で特徴的なのが〝フライングキャッチ〟。飛んでいる虫を捕らえては木の枝に戻るという動作を繰り返すのが見つけるポイント。じっとしている時は気配を消しているので見つけにくい。

 

ウチの近所の公園ではシジュウカラの動きが目立つ。緑地に入ると、ここでもシジュウカラ達の活動が活発。そんな公園の中を、以前コサメビタキを観察したエリアをめざす。

芝生広場に隣接する明るい林に到着したとたんにコサメビタキ確認。

シジュウカラコゲラヤマガラなどいわゆる〝カラの混群〟に混じっている。単独行動の時の〝フライングキャッチ〟とは違って、群れの行動に合わせている感じ。朝は雨だったので、どうやら今が食事の真っ最中?高木の林で、しかも動きが激し過ぎて撮影は無理だった。

この混群、観察していると実にいろんな鳥が混じっている。お馴染みのエナガメジロの群れが重なったかと思えば、コサメビタキと同じく渡りの途中のムシクイの姿も確認。そしてこれまた渡りの途中のキビタキ♂まで混じっている。まさかキビタキ♂に会えるとは。秋のキビタキはさえずらないので突然の出会いだ。(緑地の常連おじさんによると、今朝はサンコウチョウもいたそうだ。)

 

他のエリアは鳥影が薄く、帰り際にもう一度先程のエリアへ。低木を移るコサメビタキを双眼鏡で観察した。

 

この時期でないと会えない小鳥、というのがある。バードウォッチングの経験値が上がると、以前出会えた場所に行く時は期待が高まる。

 

次はエゾビタキ、ノビタキか。タカの渡りも始まっているはず。

 

    ………       ………       ………

コサメビタキを撮影できなかったので、春のキビタキ♂@大泉緑地

(#70 キビタキ記念日)

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