梅雨明け。久しぶりに大峰へ。
行者還トンネル西口から登山開始し、1時間で主稜線(奥駆道)に到達。主稜線は原生林の道、修験道の道を弥山山頂に向かう。
今日のテーマは〝夏のルリビタキ〟に会うこと。
ルリビタキは標高1,500m以上の樹林帯で繁殖する。数年前の夏、ここがルリビタキの繁殖地と気づいてからは、暑いこの時期の弥山登山が楽しくなった。
今日も山頂に近づくにつれ、ルリビタキのさえずりが四方八方から間断なく聞こえて来る。相当数のルリビタキが営巣している。この辺りの原生林は苔が見事、原生林らしさを美しく演出している。ルリビタキは樹上ではなく地上に苔や獣毛を巣材に営巣するらしい。苔には困らない環境だ。
ルリビタキ♂のさえずりは始終聞こえるが、姿はなかなか見えない。…が、今日は山頂直下の樹上でさえずるルリビタキ♂を肉眼で確認した。さえずる時は真上を向いて、空に向かって全身を使って喉をふるわせている。一生懸命さにちょっと感動。
一方、山頂から300mほど下ったところで〝ヒッ、ヒッ、カッカッ〟と盛んに〝地鳴き〟する個体がいた。〝地鳴き〟は♂♀どちらもする。少し見通しのきく場所に陣取り写真撮影を試みる。この個体、じっと停まることが少なく、なかなか撮影ができない。しかし、僕がいる場所を中心に周りをぐるぐるしている。だんだん、よく停まる枝が分かってきた。
撮影してみると、見事なまでに常に虫をくわえている。
このルリビタキ、成鳥♂でないことは確かだが、はじめは、今年生まれたばかりの♂♀どちらかと思っていた。成鳥♀か、若鳥♂か、識別する力が僕にはない。
…だが、常に虫をくわえているとすると、ひょっとしてヒナに餌を運んでいるのか…?
ルリビタキは8月でも子育て中?
巣はどこにある?
それにしても、いろんな虫を餌にしている。肉眼では分からないことを望遠レンズが明らかにしてくれる。
やっぱり双眼鏡と望遠ズームのカメラは優れものなのだった。
[行動時間7時間半]